ホームの向こう側

雨音が遮る視界

カンカン、と鳴り落ちる

遮断機に置いてきた


その手を振って

見送るベンチの上

握りしめた掌も

誰もいない無人の駅

全て忘れてしまえば

投げ出す事も怖くはなくて


フェンスが揺れる

雨の匂いは

嗅覚を鈍くして

また笑えないよ、

分かってるくせにさ


引っかかりを覚えたまま

手を伸ばすことだけは

出来やしないんだ

それが答えだと言う様に

過ぎていく時間の見送った


電車の塗装は

静かに剥がれていく

雨に晒されたまま

傘の中に入らないって

そう言って泣き出す君も

同じ様なものなのにね、


錆付いたレールの上

知らないふりして

そこに立つ君も

夢の様な世界で

二人手を繋ぐ事を夢見て


まだ、言えないよ。

投げ出す事も、

逃げ出す事も、

本当は怖くて出来やしない

それでもホームの向こう側

ベンチに腰掛けた君は

擦れ違う電車の窓から

手を伸ばすんだ。