静かに閉じた

目蓋の裏

通り過ぎる人の波

チカチカと点滅する街灯

抜き去っていく電車

揺られている吊り革は

逆らう事なく流されて


聞きたくない言葉

イヤホンの音に掻き消えて

僕の知らない言葉

死んじゃうのにね。


赤、青、白、黒、

丁寧に並べて

境界線の上

誰の笑みを抱えて

爪で弾いた

夕暮れを迎えて

リズムは、狂い始める


肌を突き刺す

目蓋は開かないまま

涙を零した

僕は、まだ、知らないふり


イヤホンの隙間から

溢れだした音は

僕の救いを振り払って

それでいいの?

遮断機が僕を置いて

世界を二つに分けていく


さようなら。


沈んでいく夕日は

きっと僕の全てを背負って

じゃあ、どうすれば。

続かない話は

何時か、何処かの事

おやすみなさい。

死んでいく細胞に語って


リズムは部屋に散らばって

吊り革は、君を置いて。