優しい声が
溶けていく様に
心の中で
君が笑ってる
雨は
とっくに止んでいた
立ち止って
手を伸ばす
開いたままの傘は
半透明にぼやけて
霞んだまま
「私を待っててね、」
そう零した言葉に
笑顔を繕って
君を閉じ込める為に
たくさんのモノを失って
空っぽにしてしまえば
きっと忘れてしまって
君と生きた僕の意味も
全部白くなって
それでもね、温かいから
嘘にならないんだよ
二人だけの言葉も
雨に流れる前に
抱き締めてしまえば
それでいいんだ、
曖昧に隠した
頬の色も
鉛色の空に
返してしまえば
茜に良く似た
二人だけの色彩で
君を愛するんだ
「私と一緒に居てよ、」
君が囁いた
その言葉の意味を
君に返す様に
掌を握り返して