電子の窓を開ける

ゼロとイチで構築された

コードが少年を繋いだ

命の音は軽く消える


まるで人形の様だ。


少年は何も言わず

ただ悲しそうに俯いた

浮かんでいく泡沫と

塗り潰していく意識と

もう笑えないんだ、と

静かに告げる断罪も


コードが絡む、

少年は息を詰めた

何度だって、

何時だって

其処にあるのは

隠しきれない疑念の塊


『存在意義を下さい』


どれだけ切望しても

少年の願いは届かない

歯車と機械の中で

少年は生き続けて

ただ其処から見える世界は

落下していく街の姿

憎い程の青空と

息を呑む程の灰色と

雑踏に紛れた誰かの声


きっと知っている筈なんだ

少年の指が描く

電子の心臓を打ち抜いて

抜けだした絶望も

素敵な事なんだって

そう言って笑ってほしくて

少しの微熱ですら

きっと美しい事なんだろう


彩られた縁取りで

静かに呼吸を止めて、




「少年は白い嘘で生まれた」