遠くのほうで

誰かが泣いている

綺麗な箱庭の夢

あの時の時間が

悲しく壊れていく


誰の為の時間だったのか

夢の様な世界で

木々の隙間から覗いた

木漏れ日の輪に俯く


眩しいのは寂しく

逢えない痛みすら

きっと愛おしい

飽和して弾ける

窓辺の憂鬱すら

口付けて夜に眠る


綺麗なものを鏤めて

慈しむ様に笑みを浮かべる

君の声はもう聞こえない

夢はもう、聞こえない


思いの分だけ

世界が歩むなら

罅割れた時間も

きっと愛せるだろう

あの時の箱庭が

少年の世界を望んだなら

きっと其処に行き着く


全ての道の先で

笑える様に




「少年は夢に生きる箱庭を望む」