少年は知っていた

止まない雨の行方を

息詰まった世界は

一人少年を置いていく

傘の内側で俯いたまま

少年は全てを見失った


街灯が光り始める

人混みの外側

少年は立ち竦む

答えなどない

振り翳す傘一つ

一人遊びを繰り返した


滲む世界はきっと少年の心

空高くに覆い被さる

鉛の空は悲しく

円を描く様に境界が出来て

少年のいる場所は

雨水に濡れそぼった

誰も望まないこの場所が

誰かの救いになるはずもなく


少年はあの高いビルを見つめた

それは終わる世界の始まり

汚いだけのあの場所で

折りたためないまま

傘の中で少年は泣く


何も無いから

ゼロに還す雨降りの夜

足元に広がる闇も

水面に弾ける嘘


白む空の彼方

臙脂に描く言葉の端を

きっと誰かが望むから

少年は一人見送った

その世界の行方を

「ゼロ」だけの居場所で

「イチ」の世界を


イチが選んだ答えが

全ての引き金になっても

少年は傘の中

一人目蓋を閉じた




「少年は街の外から全てを見ていた」