御前が遠ざかる

幾つにも碎けた夢が

苛む様に手を掴む

夢は碎けた

「其れが幻想で在れ」と

願う言葉すら死に絶へる

残骸。残響。

痕を還した感情に

何と名前を付けようか

見附けられないまま

手を取り合う嘘を信じて

御前が、遠ざかる

とりあえずは

このままで

努は死んでいる

屍の上を

歩く様に。