何度も何度も
もしもの話をして
泣きそうになりながら
許しを請う様に
温もりを与え続けた
開かない目蓋と
緩く死んでいく脳細胞
離されていくのは
遠くの意識
白くなった部屋の中で
君が膝をついている
強がりな癖して弱虫の君は
僕の掌を掴んで
涙を零しているんだ
何も言えなくなってさ、
だけど言いたい事だけは
ずっと胸に仕舞ってんだ
浮かんでいく言葉と
部屋に溶けていく言葉と
白くなっていく言葉が
もしも話になっていく
今の僕は君にどう映るのだろう
立ち止ってばかりだけど
溢れだしていくものだけが
確かな真実であってほしいけど
力の入らない目蓋に
止まる事のない涙が
冷たく頬を流れていくんだ
もう戻れない所まできて
君の掌を離れて
僕の事を忘れたとしても
消えていった温もりでさえ
愛おしいものであると
確かにそう思ったんだ
同化して、
変わらないままでも
それでも僕は
確かに君を愛していた
愛していると
そう言いたかった。