歩いてきた道が

あまりに遠すぎて

僕は呼吸することも忘れた

ただの弱い人だ


言えない言葉は

全部飲み込んでしまって

どうしてだろうか

この両手に抱えたもの全てが

裏切る様に滑り落ちて

何一つ拾えないんだ


どうしてこうなって

僕が生きている事

君が生きている事

歩いてきた道に

答えを全部置いてきて

返せないものが増えて

気のきいた言葉一つ

この喉は音を紡げなくて

忘れてほしい事ばかり

この胸に積もっていく


傷付けてばかり

眩んでは立ち止まって

仰いではまた眩んで

伝わらない手紙を燃やして

見えない底のほうで

誰かが笑ってまで

僕の人生を汚してしまって


今日の僕が死んでしまえば

明日の僕は何もないんだ

言いたい事なんて

今はもう一つもなくて

昨日の僕が透かした様に

遠くのほうで僕を見つめて

消えていくのは罪じゃなくて

罪悪感だけだったのに


また呼吸を止めて

歩いてきた道の上で

まどろむ様に目を伏せた

言葉をどれだけ吐いても

きっと呼吸は止まるから


静かに息を吐き出して

溺れていった