気付いた事も

全部飲み込んで


指先から零した感情

知らないふりを続ける

静かに溺れてしまって

僕はそれに触れない様に

望まない様に

息をする事も忘れて

叫んではその手を離す


もう、見ないでいてよ

叶えたい事は

何も残したくないのに


裾を掴んで

見下ろした君の事を

失くしてしまいたかった


この命が語る言葉が

全て意味を持つのならば

僕は知らないでいたかった

愛する事も愛される事も

染まってしまう世界が

あまりに鮮やかに視界を刺す


差し出された両手も

抱きしめた身体ごと

何も返したくはなかった

苦しいのも受け入れて

終わらせられたら


どうしてか傷口に触れて

砕いてまで僕を殺して

零した涙ですらも

悲しみくれたまま

もう何も返せないよ

だから残したくはないのに


愛した事も

抱きしめた事も

握りしめた事も

混ざり合うノイズの中で

生きてと望む声に泣いた

もう許してほしいだなんて

二度と言えないのに