置いてった
悲しそうな
誰かの笑顔と
僕の心が
静かに離されて
俯いたまま
その背中を撫ぜる
「どうしてだろうね」
「幸せな筈なのに、」
「幸せなのに」
飛び出した足のまま
二人に触れて
もう忘れてしまって
それでも語る世界が
美しいままであるように
その手を離して
その指が離れて
僕が笑う
君が笑う
泣いたその顔で
見送ってほしいと
語る唇に
乗せられた音は
懐かしい世界の想い出
美しいまま
綺麗なまま
今日を終えて
明日をまた迎えて
何も見えなくなっても
確かに此処に在ったって
そう言えるように。
僕の幸せが
此処に、確かに存在したって、
そう言える様に。