膝を抱える
瞑った目蓋の下
淡く光を透る
夢の様な世界
肌を少しだけ焼き殺す
思い出せないと
声に出して
また嘘吐いて
優しい愛に飢えて
言葉を失った
それでいい、って
そう笑った声も
だいじょうぶ、って
そう泣いた声も
雨が沁み込んだ夜に
置いてかれた僕の
望んだ言葉ばかり
そんな世界が
立ちあがるだけの力も
笑いかけるだけの思いも
優しさが滲んだ声も
そうして欲しいだけの
願望の様に思えた
掻き集めた欠片
心の隙間の一つ
誰にでもあるものを
両手一杯に集めた
逃げてばかりの心が
軋む様に泣き声をあげた
塞いでいたい声も
優しくない声も
傷口に口付けた
雨の中じゃ何一つ見えない
本当の世界を生きたいと
深く望んだ蒼穹に落ちていく
灰混じりの嘘吐きが
膝を折り曲げて
抱きしめる。
『それでいいよ、
君は、それでいいんだよ』
声が、
聞こえた気がした。
愛された。気がした。