見捨てたふり
栞を人差し指に触れて
線路脇に落ちる
拾えない
拾わない
選別する様な
人混みの視線と
溺れたはずの
過呼吸兎
真っ直ぐに見詰めて
赤い瞼を閉ざす
窓の外には見えない
隠れた日差しと殺人鬼
どうでもいい日常が
殺しにかかってくる
まるでお伽噺
挟んだはずの栞も
折れ曲がってしまう
現実味なんて
伴わずに詰まって
僕は僕です
そんな当たり前も
気付けばテンプレから外れて
嘘吐いて過ごせば
きっと誰にもバレない
かくれんぼ鬼は誰だ
僕はその手を振り払って
決めつける人の目を
振り切る様に走り出した
線路の上には
小石一つない
灰色のくすんだ空と
鈍色曇天をひっくり返した
栞はどこに捨てた
捨てのは誰だ
拾えないまま
歩き続けたのに
呼べない名前の意味は
きっと僕以外知らない
それが答えだ
栞に挟んだままの思い出話も
もう出来ないから
赤い瞳を掌で覆って
君から逃げる様に
人混みを掻き分けた
栞は汚れたままの日常論
僕を置いて回っている