強く握りしめた
綺麗な風は
夜に沈んでいく
凪いだ空も
美しい星も
呑み込めば暗く、
生々しく青さを残した
淡く消える雨の匂いと
侵されていく思い出が
悲しそうに泣いた
二人きりの世界じゃ
息苦しいままで
倦怠感が包む
僕の息は鉛の様
囁いた声は
届かない様に
掲げて回る
青白い肌の上で
貴方は泣いた
塞いでしまえば
歌が聞こえなくなると思った
海の中じゃ
何も震えないのに
僕は悲しいままなんだ
何処へ行けば
貴方へ届くの?
幸せは遠く
交わらせた嘘は
もう戻れないと
爪を立てて軋んだ
歪んだ影が
僕を見送って
綺麗なままで
風が殺していく
優しい音は
鈍く落ちていって