書き殴った楽譜

倒れた譜面台

散らばってんのは

数多の消しカス


濡れてしまって

見えなくなった筆跡と

踏み潰した足音の

つまらない日常の音に

ひどく情けない気分になって

喉を通っていく

生温い水を零してみたくなった


完全な世界が崩れて

壊れかけた天秤と

女の子のスカートは

ふわふわり揺れてんだ


冤罪みたいに

いわれもない罪と

僕が分からないって

言ってみたり、

そうでなかったり。


転がした鉛筆の先で

笑っている君の姿を描いて

馬鹿にしてんだ

今何してんだろね

視線を下げて逸らした

誰にも見られてない姿と

鏡に映る僕は一緒なので


きっと楽譜の中じゃ

僕は生きてけないんだよ

知ってるなんて

安い言葉ですら

新しいなんて

真新しい嘘も吐いて


今日も呼吸を繰り返した

笑ってやろうじゃん

生温い水は

嫌だけどね。