指先で見つめる
それは、何の世界?
美しいのは
見えてるものだけ
手の中じゃ
何も光らないから
速度は増して
その背を追う
貴方はきっと、
今、これを
弾き出して
泣き出して
翳したものが
正義だと嘯くなら
その旗を
打ち抜いて
焼いてしまえばいい
崩れかけた指標も
導けないなら
ただガラクタなんだから
また一つ、
上に重ねてみる
透明なそれを
濁す様に
波紋を広げてみる
爪が抉る
記憶も夢も
遠くに見えるなら
届かない様に
蓋を閉めて、
またそれを。
これを。
思い出してよ、
悲しいって言うなら
頂戴よ?
綺麗なものだけが
良いなんて、
誰が言ったの?
私は私、
貴方を飛ばす様に
片腕を高く上げた