行き詰りの壁際で

笑ってる仏像蹴り飛ばす

未来なんて明るいもん

始めからありはしねぇ


馬鹿と天才は紙一重で

アイツの笑った顔の裏で

思う感情に拳銃を向ける

両手を翳した腕の隙間

見据えた視線はまるで、


人差し指3センチ引いて

腐り切った人の匂いが

路地裏で噎せ返った

喉奥に突っ込んで

引っ張り出した言葉は

アイツには届かない


走り出した路地の先

壁は行き先を塞いでる

聞きたくない音ばかり

この世界に満ち溢れて


嗚呼、この世界は実に生き辛い


俺ばかりを拒んでいる様だ


振り上げた片足を

崩れかけた木箱に乗せる

見下す様に見てきた黒猫は

失わせた視界の中

溺れる様に喘いでいる

掌の中で冷たくなった

まるで俺の人生みたいだ!


街中に響き渡る破裂音に

俺は知らず知らず口の端を上げた

なんと幸せな事か!

あの仏像はもう視界には入らない

ざまぁみろ、ざまぁみろこの野郎!

俺の人生は、俺だけのものだ!


この世界が、俺の未来だ!