馬鹿みたいな顔した標識が
信号機に乗り移って
騙す様に右左振り切る
遮断機の向こうの危険色
僕の伸ばした掌と
過ぎていく電車が交錯して
届かない距離分の後悔と
伴わない感情が煩わしかった
追い付かない音だけが
鼓膜震わす誰かの悲鳴
それが君の身体を貫けば
落ちていく膝と力を失う身体
視界が霞むのは
きっと乱反射したから
太陽と目があった瞬間に
信号機と歩道の間で踊ってる
蝉の声が飽和して爆発した
蝉時雨を肩に受けて
君が揺らした半袖から垂れる
日に焼けた細い腕が折れ曲がって
僕の瞳を奪い去って笑ってる
どうしても終わらない夏の日が
体温を奪っていってる気がして
誰かが叫んだ劈く様な声と
甲高い金属音が同じ様な世界で
酷く重たい重力に従う
思考回路の伝染、感染、発症
デリートされない行動と発言に
振り回されてる君の世界と
落下していく僕の人生が
空回ったメビウスの輪の中で
嘲笑ってる気がしてたんだ
もう其処に置いてきた
鞄に詰め込んでいたのは
落書きされた教科書と
どうでもいい様なプリントだけで
標識という指標を蹴飛ばして
信号機の下で嗤ってる
蝉の眩んだような声に立ち止って
君が当たり前の常識を語るんだ
動かない足を振り上げて
泣き出しそうな表情の裏で
伸びた腕が振り下ろされた
そうして今日が終わって
明日がやってきて
同じ様に同じ人を繰り返す
笑っている標識と
意識を失った信号機が
連続回転、落下速度上昇中
全部此処で終わり!