抑え込んだ呼吸の音

喉に力を込めて

零した言葉を拾う

全てが、還る様に

歪めた笑顔が泣きそうで

枯れた様に両手を伸ばす


届かないな


呟く声も眩んで

絶え絶えになった息と

千切れた感情が寂しく

淡いだけの恋心

置いてきた時間の間で

膝を抱えているんだよ


一人で立ち竦んで

森の中で彷徨う

足が縺れて

両手が地面について

泣きたいのに、

涙が溢れるのに

君がいない

疲れた様に凭れる

背中の温度が悲しく


追いつけないんだな


気付いてしまったから

君の手を離して

僕は独りで生きていくよ

白く儚いだけの時間は

僕を包んで

答えをくれたんだ


深く、深く繰り返す

間の抜けた連鎖

君が一人で行く背中を

きっと僕は恐れていた

嘘を吐いて

二人閉じこもって

優しさに付け込んで

さよならの声も

聞きたくないと耳を塞いだ


楽園は、壊れたんだ