一つを言い表すには

まだ言葉が足りなくて

悲しいと伝えるには

僕は幼すぎた


もう其処には残らない

夢も希望も薄れて

何処か遠くに感じた

現実に埋もれていると

気付いた時には

もう雨が遮る視界の奥


君が、笑ってる気がして


置いてけぼりの感情に

目を伏せて見る事を諦めた

塞いだ耳の奥の方で

鼓膜が寂しく震えて

君の声を拾おうとするけど

知らなくていいんだよ

溢れてくるのは

僕の涙だけで十分だから

届かなくてもいいんだよ


もう二度と笑えなくても

きっと僕なら大丈夫

張り付いた前髪と

隙間から覗く瞳の中で

手を繋いだ君と僕


二人で笑ってた

涙腺を揺らして

溺れる様に埋めた

心の中で


君が、笑ってた。