単純で簡潔な願い

思い切り投げ飛ばす

綺麗な弧を描いても

届かなければ意味がない

遠くに在ることだけは

分かってるのに、


言いたい言葉は

声に出しても仕方なくて

握りしめた掌に詰め込む

呑み込んでしまう前に

鼓膜を震わせたかった

ふわり耳に翳す

正解という間違いを

愛することは難しくて


逢いたいのは本当

だけど足が動かないのも

前に進めないのも

全部全部本当で


カウントダウンのカウントも

意識の遠くで聞いて

今は無理だと理解した

脳みそは泣きそうに皺を寄せる


この思いも

本当は意味なくて

それでも飛ばした

この両の手には

きっと幸せが残る


気付いた言葉の裏で

君に逢えればいいな、なんて


悲しいね。