失わぬよう。


永久の物語

壊れないように

淡く両手で包む


離れぬよう。


青を溶かす

滲んだ視界は

誰も気付かない

罅割れた時間

割れぬよう

きつく両腕で抱く


離れぬ、よう。


移りゆく花の夢

色彩は溺れる

この地に行かん

大粒の雫の意味を

篠突く両足で穿つ


傷付かぬように

十しかないこの指で

緩く祈りを組む

張られた弦を

爪先で弾きながら

これを謳う


記憶の在り処を

見定めよと

紡ぐ言葉の末に

この身の理を囁く


逃げぬように、


塞いだものを

天駆ける蒼に広げる

それが答えと

云えばそれまで

閉ざした口先に

音は全てを拒んだ


逃げぬように。