救う雫の上で

転がる声は落ちていく

グラスに映した

視線は細めて嘆く


二人だけの。

それだけでいい

それ以上はいらない

望み過ぎてしまうより

怠惰を抱いて

君の唯一があるなら


無邪気に笑う

心に施錠した嘘は

甲高く叫び出す

届かないのに

放さないで


燻らせた感情は

触れるか触れないかの

ささやかな瀬戸際

夢ならいい。

目覚めなくても

いつか醒めてしまうなら

その瞳から零れる

冷たさを拭ってしまえ


言い出せないから

おやすみ、と。


一言だけの、愛を。