押し殺した呼吸は
掌を擦り抜けて落ちる
生きる為に必要な糧は
最早此処にはないけど
絶え間なく降り注ぐ
見なければいけない
その先の希望は
浮かび上がる絶望に
砕かれて沈んだ
侵される痛みと
苦しみが足を絡めとる
変わればいい
この世界が、全て
生きる事が苦痛な世界なら
今の僕には要らないよ
あの日の苦しみと
今の苦しみが重なって
嘯く記憶が裏切る
漏れ出す息の音を
食い殺す様に貪る
僕らはきっと、失えない
歩き出す為の足も
抱き締める為の腕も
傷付き折れて
見れたものじゃないけど
日常が黒く塗りつぶされる
信じた言葉に殺された
僕らが生きる為に
どうすればいいのか
導さえないのに
眼前に広がる現実に何度
目を、耳を塞げばいいのか
あの時の傷口も
今はもう残っていない
口付けた終わりの足音に
夜が色濃く迎える
僕らはもう知らないよ
何も知りえない
思うよりも幼い僕らは
与えられた世界で
人混みを縫って生きる
穏やかな世界であればいい
此処が、これからも
其処が、これからも。