カラカラ鳴り始める

空白の風鈴

底に沈んだ夢の跡も

掌に滲んだ汗に溶ける

無理矢理な笑顔なら

食いつくした嘘だよ


足元に転がってる

もう動かないよ

もう笑わないよ

だって君はいないし

強制片手の圧力と

君の眼差しは何処か弱く

捻じ込んだ強みも

蹴飛ばせば何もないよ


ふわり浮かぶ雲と

熱を運ぶ風の間で

君は歌ってるよ

錆付いた歯車も

動かない感情に油を差す

跳ねた弦の先で

君は立ち止って

俯いては立ち竦む


選んだのは君だよ

頬を撫でる掌と

伝う汗を拭ってしまえば

繋いだ意味に気付くよ


カラカラ鳴りを潜める

金属は転がり落ちた

渇いた喉の奥で

苦いものは下っていく

階段の上で笑っているのは

あの時の僕と君だよ


ぼかした記憶に指差せば

きっとそれが答え

そんなものだよ

夢の跡なんて


翻した身体の色彩

君が言いだした嘘なんだよ

電池切れなら嬉しいと

手に取った二人の時間


まだ続いているよ