鳴りを潜めた

嘘吐きお月さま

レールを歩いて

三歩下がった


夜の底は陽炎

浮ついた感情と

泡の様な汗に

届かない声も打ち返す

溶けたんだよ

一言も聴こえないと

嘘ついて笑う癖に


揺らめく街灯も

誰もいない街中は笑う

雨降り君傘も

間違い探し繰り返す


ほこりをかぶって

嘘を重ねて

もう動かないんだよって

君に伝えるたびに

返さない返事に泣いた


白を塗り重ねて

呟いた言葉の上では

錆ついた線路すらも

長く続いて


輪郭が消えていくよ

街灯が灯る

夜がくるこの街の中

走り抜けたこの足で

石を蹴り飛ばした


必要ないと

君が笑い飛ばすたびに

動かない事を知るんだ

伝えた言葉のはずなのに

淡くなっていく輪郭と

薄れていく君の声が

謳っているよ


捨てられていく街灯と

夜に溺れた陽炎に