見据えた先の雑踏
立ち向かう為の
術は持ち得てなくて
蹈鞴を踏んでは
届かないモノばかり
掌を擦り抜けた
呼んでよ
僕の名前を
後悔無い様にしたいのに
悔いては馬鹿みたく
何度も繰り返してしまう
不特定多数の視線は
嘲る様に歪んで見えるのに
誰もが同じ轍を通り
僕が答えた問いは
正解を知らぬまま
僕を嘲笑っているんだ
僕の名前を教えてよ
分からなくなってしまうから
君だけが救いだせる
後悔の海から引き上げて
その手を取ってよ
伸ばせない両の手は
躊躇して踏み止まる
救えないのは知ってる
誰の上に立たないと生きていけない
創られた優越感の中は
息がしやすくて
それでも一足外に出た
劣等感の渦の中は
呼吸が止まりそうに苦しい
綺麗なのに
空だけは同じなのに
どうしても笑えないよ
救ってよ、淀んだ心を
同じ様な間違いばかり繰り返す
僕の嘘を刳り出して
笑えない言葉を閉じ込めて
喘ぐ様に溺れて
その指が触れた君は
雑踏の中で笑ってる
何処までも溶け込む様に
其処に立つ君は
何度も呼びかける
僕の名前を繰り返しては
雑踏の嘘で塗れていた
それが答えだと思った
そう思い込めば
楽になれたから
迷わない為に吐き出した
後悔を悟られない様に
静かに閉じた箱は
遠くから僕を嘲笑っていた