殺さない様に

柔らかな温度を持つ

ソレが『愛』だと

思い込めば楽園

朱肉に溶け込む嘘を

見破る術を持たぬまま


貴方が握りしめた

爪が食い込む柔肌

それから繰り返す

嘘も真も隠して

貴方が笑うなら

私もその隣で笑いましょう

でも其処には何も無い

作り話の様な私を

殺めて流して


幾重にも重なる幸せで

苦しくなってしまう

それなら優しい温度を下さい

哀惜を詰まらせて

言葉が死んでしまうから

貴方の身体を掻き抱いて

流す物が血へと変わる前に


全てを捧げるから

私へくれた物が

貴方へ還せるなら

まだ柔らかな温度を保って

貴方を抱きしめて


ソレが愛だって

もう一度囁いて