何を悪いというのだろう
何が悪いというのだろう
悪の定義は何か
正義の定義はどこか
善悪を問うのは
人の性とでも謂うのか
隠した惰性の裏切りは
どれも悪意に満ちているのに
正義という盾で振り翳した
欺瞞と暴力の嵐で
何を信じればいいと良いのか
貴方が嘯いたのは
これを見越した嘘の刃
偽善の言葉に浮ついた
心を押さえ付けながら
吐いた言葉の上辺に
殺したい程の憎しみを込めて
届かない向こう岸へ落下していく
誰も手を伸ばさない
誰も救おうとしない
そんなものだと
謂ってしまえば必要を殺した
突き刺さる視線を
ものともしない癖に
憎悪の視線に凍てつく
過剰な反応は
いっそ背中を押し出して
誰も居ない闇へ堕ちる
貴方が応えない
正義はただ悪を殺す
言い訳と嘘の建前だと
知ってしまえば
答えは木霊を止める
固まっては逆さに終わる
終焉の鐘は鳴る事を良しとしない
それが良い事と受け入れれば
何も謂えずに噤む
正しい事なんて何一つない癖に
これが正解と差し出した嘘は
隠しきれない貴方へ墜ちる
何も知らなければ
その背に触れずに済んだのに
正義とは何なのか
悪とは何なのか
知らなくて良い
最初から在りはしない
嘘の答えなんて
乗っかるままに作られた
勝手な建前なんて
そうして貴方は落ちていく
知らぬうちに伸ばした手を
優しいままに振り払われて
見開く瞳の中で
ブランコだけが緩やかに揺れて