僕は君を愛せましたか

綺麗な衣装と異常を抱えて

駆けだした先には

何も残らないと知って。


偏る思考回路の断裂と

口に出せない感情の制限

重いと呟けば

喉から漏れる呼吸は鉛


「届かないなぁ」


どうしてか伸ばせない

両の腕は弾きだされた

ごめんの一言さえ

許せるわけがなかった


偏見と揺れる脳天は

悲しく吐き出された

君の声の流し出す


きっとそれは愛だった

気付かないだけの

落ちていく愛を

僕はただ其処から見守って


落ちていく、


僕は。


泣きだしそうな表情に

滲む君の世界

嗚呼、此処は何処に隠れた

僕の居場所を重ねて

踏み出した先には

歪んだ愛を差し出して


痛い、痛くない。

嘘吐いた君の言葉は

締め付ける心の奥を

寄せる様に抱きすくめた


一定を保つ

距離と間隔に目蓋を伏せる

辛いという言葉さえも

純粋に無粋を詰め込んだ


嘘だよ。


君の世界が晴れるなら

この言葉も嘘にしようか

そうすれば僕は

素直に君を愛せるだろうから