単純に伝えたかった

遠回しな台詞も

悪くはないのだけれど


君を前にすると

零れ落ちる言葉は

全て嘘を含んで

謂れもない罪悪感が

棘を、膿をちらつかせた


綺麗な言葉なんて

今の僕には選べない

たどたどしく伝える

拙い単語の羅列が

とてももどかしく感じた


それでもいいんだよって

幼く笑う君の横顔は

自信と光で満ちて

僕は、何処か。

遠くを感じたんだよ


口籠る音の破裂は

鳴らした震えに消える

痛みなんてないんだから

終わる前に一度、

君に触れてみたかったと

伝える理由を探していたんだ


意味なんてないから

無意味を理屈で固めた

無理矢理に理由を付けてしまえば

許される気がしたんだ


ただ胸の奥で溶けた

言葉が今も

温度を持って揺れている


単純で、美しい。

ただ其処にあるだけの、音。


綺麗だった。美しかった。

だけど何処か悲しかった。

どうしてかは分からないけど

僕は浮かべた涙を

見ないふりして笑った


君は知っていたんだ

伝えない言葉の先を

それでも君は幸せだと

揺れる音に触れるなら


僕も幸せだと

君に言える気がした