問いかける

虚ろな空


「愛したのは誰ですか」


分からないと

嘘吐いた君と僕

道化は後ろ背に

アネモネを掲げる


「愛したのは、」


君と僕と、虚脱のロンド

それは愛を騙る嘘で

それでも口付ける

真っ赤な林檎を頬張る

温かな温もりも

失うことなく笑う


「愛してたのは。」


水掛論も堕落。

二度と触れる事無い××は

君の頬に触れて溶ける


「それは、」


アネモネは砕けた

君の心に残ることなく

なんで、どうして

消えていくのは灯

風を前に、君は


「嘘じゃ、ないよ」


もういいよ

何も言わなくて

無実を殺して

僕を締め付ける

儚さを含んだ憐憫は

犠牲を孕んで


「愛、して、×」


どちらに転んでも

戻れないのは君。


それでも僕は、

君を愛そうか