泣き虫な私は
貴方を引きとめる術を
持ってはいません
何を失っても貴方だけは
失いたくはないのに
言葉が出ないのです
詰まってしまって、何も
気の利いた事の一つくらい
言えてもいいのに
もう希望なんて
捨ててしまいました
全ての真実を湛えた瞳で
揺られているのです
人一人分あけた距離で
貴方は呟くのです
後悔とも懺悔ともとれる
悲しい愛の呟き
きっとそれは
二度とは聞けぬ
最後の、
貴方は嘘吐きです
最後まで、
ずっとずっと
吐き出せなかった言葉は
変わっていく
季節に吐き出しました
なら私も一つくらい
嘘を吐いたっていいでしょう
私は
貴方が、
貴方の事が。