暗い闇夜は
悲しいのです
失ってしまったものが
輪郭を描くから
薄灰色の主旋律は
振り返ることを知らず
海の中から覗いた
世界の端っこに
私は泣きたくなるほど
孤独を感じたのです
そこは冷たく
温度を奪っていきました
音を殺しては苦しく
救うべき温もりを
遠くへ感じさせた
それは悲観したわけでもなく
ただぽつりと
悲しいなぁ
と、呟いたのです
隠せない事実が
胸を鷲掴みした気がして
それと同時に私は
許されないことを悟りました
それは悲しいのです
気付いてしまってから
特に思うようになりました
事実はどこにあるのでしょう
正解はどこでしょう
私はきっと溺れている
もがいているのです
煙は昇っていきます
私を置いて
届かない場所まで
静かに世界の覗くのです
静観するように口を噤めば
微笑み混じりの光は
涙を拭う事もせず
私へと手を振りました
「 」
それは別れでしょうか
出会いでしょうか
いいえ、きっとそれは、
悲しいだけの
優しさ、なのです。