硝子玉を覗いて

光る万華鏡

置いていった嘘は

遠くに見えた

「触れますか」

冷たくヒヤリとした

悲しみの色を含んで

目の奥は少しだけ

キュッと痛みを叫んだ


もういないよ、と

手を振る河原の向こう

綺麗な場所は

白く咲いた花畑の様

それは美しく

生い茂る森の中

歩いたのは

君と二人きり

一人ぼっちの背中合わせは

誤魔化せない温度

触るには少し遠い距離の

重ならない指先に

また少しだけ

悲しくなった


硝子は薄氷の色

空は移り変わる

色彩は鮮やかに

死んでいった

それは緩やかに

穏やかに殺めた

両の手が掴んだのは

幼い時間の番蝶

もう二度と噛み合う事は

ないというのに


きっと綺麗なその時間は

もう二度と触れない

痛みは胸の奥で

気付かれない様に

押さえつけて笑っていた