翡翠の湖面を

優しく吹き上げる

君の手には

たくさんの蓮華

薄紅の絨毯は

君の足元を撫ぜる


「そうして少年は、」

そこから先の

物語は覚えていない

きっと月夜の晩の

夢物語だろうと

そう結論付けた

つまらない、不変の話


走りだした少年は

きっともっと自由で

淡い色した世界で

空から降った

白露に口付ただろうに


なんてつまらない

変わらない

同じ様な世界は

本の白紙を見てる気持ち

ならいっそ

私が描いてみようか

もっと自由に

原色と淡色の境界線を

打ち抜く様に



少年は笑った

淡い色した頬で

真っ赤な林檎を持って

「ありがとう」と呟く様に

綺麗な笑顔を浮かべた


それは夢じゃなくて

幻想でもない

私の話。

私のだけの、物語だった。