思い出せなくなる前に

少しだけ笑って

優しく口ずさんで


最初からなかった事にして

夕日を背負った背中を

追い越す様に走った

ごめんね。

染まり始めた街角に

響いた歌声も

苦しく締め付けたんだ


伝えたいのに

忘れていってしまうなら

目の前にいるはずの

君を覚えていたかった


あの歌は塗り潰した

絵具を広げたキャンパス

まだ分からないと言って

見ないふりを繰り返した

誤魔化した記憶も

偽る様に坂道を下って


木霊する様に笑ったのに

少しずつ忘れて

あの優しい声は

記憶を少しずつ食べて

虫食い穴の幼い僕は

勘違いの今日を生きたんだ


そうして思い出せなくなった

僕は君の優しい歌を

白紙の楽譜で上で追いかけたんだ