小さな声が嘯いた


悲しみを紛らわせる前に


死んだ心に針を


震える睫毛は今でも


鮮烈な記憶に残った



鮮やかに終わる


揺れた風は影を散らして、


こんにちわ。




それならいっそ


手繋ぎした幼い私を


殺めたなら


「愛」だとか呟く


ウソツキな私を


殺してしまえるのか



感情は響く


空は溶ける


風はもう、凪いでいるのに


沈めてしまえば


離した感情の欠片も


見付かる気がして



消える前に一つ、


分けた心


悲しい感情に重ねて


小さな声が囁いた嘘を


針ごと全部


捨て去ってしまえ。