免罪符を掲げて


逃れた意識の果て


彼の者は何を失った?



望みを全て捨て


賭けとも云えるこの時を


誰の瞳に映した罪


壊れ始めた歯車の音を


声出す事も厭わずに



最初から何も始まってないと


終わりを迎える人は云う


叶えたはずの願いすら


届く事はないのだと



彼の者が失う


崩れた均衡は天秤を落とす


その眼を開けば


目覚めた息吹を沈める


外へ誘う漆黒の端は


閉ざした心の刃の


切っ先にも似ていた



それでもなお


罪が潜める夜の涙に


溶けた夢を混ぜて