静かに響いた音は


綺麗に透いていく


青の向こうに


最後があると知ってなお、


君は歩き始めた



なんでそんなに、と


問う声さえ遠いのは


その手を離したから


そうして今日も


見えない明日へ


意味のない歌を奏でた


この腕には


なんの力もないと


嘆く事すらせずに



指先が震える


許されないと解って


青を広げた


罪の世界を歌う様に


これが僕に出来る事と


語る声の翳した


正義を哀しんで


凪いだ風を追いかけた


最後を迎えて、


君はゆっくりと


止まり始めた



最後、と位置決めをして


それでも引いた線を


越えても君は


最後の音を拾わずに


ただひたすら


最後なんだ、と泣いた