止まった時間を


静かに巻き戻して


口に出さないだけの


想いを積み重ねて


「ごめん」と呟く


苦しみに満ちた声を


この両手で塞いだ



見たくなんてなかった


どれだけ叫んでも


物分かりがいいだけの


そんな人になりたくなかった


知ってたけれど


「怖くなんてない」


そう口にした君の声が


震えてたことも


本当は知ってた



進みたくない音が


落ちていく半濁音にはねて


置き忘れた地図が


水の中に沈んでいった


褪せない色の数だけ


迷いを抱えて


ただそこに在る時間が


何も言わず沈黙を守った


それだけが救いで



「大事なのはなに?」


無感情な心はきっと


なにも答えない


ただ求めている場所を


指示した指先を


緩く握りしめて


静かに息を吐いただけだった