風が泣いた


あの丘の上から


街を見下ろして


君は静かに立ち竦んで


音を紡ぐ様に


唄い出した



君が泣く前に


優しい歌を紡いで


悲しまなくていい様に


幸せである様に


仰いだ青を


泳いで渡って


光を掬いあげるの


息することを


忘れる前に



魚は


揺れているの


空の青も


海の青も


魚は


揺れているの



歪んだ視界じゃ


正しいモノなんて


何一つ見れなくて


それでも


真っ直ぐ君を見たくて


自分の正義を


振り翳したの



魚は


泣いたの


風が泣いたから


泣いたの


歌い出す様に


息を吐きながら