差し出した右手が


掴んだのは虚像


揺れ出した幻想が


僕を嘲笑う



誰が僕の首を絞めた?


それは呼吸を奪う


命を奪う


簡単な動作


それでも息をいるのは


ただ僕が目を開いたから



冷たいと感じるのは


君の指先が温度を失ったから


少しずつ奪われていく


意識の中で掻き乱した


『私』を消し去る様に


君は溶けていく



それは圧迫


僕の瞳が映しだしたのは


ただ信じたくないのか


それともこの真実が


嘘だと思いたかったのか




首を絞める温度の


冷たいのが哀しかった