ちりん、ちりん


鈴の音は空高く


御狐様の行列は


天気雨を降らせる


鈍色に問いかける



『泣きたいのは誰だい


答えのない旅ばかりで


気付きゃ私もお前も死んでいた』


御狐様は琥珀の瞳を細め


雨色雫を纏い嗤う



『何処にもない


何処にも行けない


ならば答など始めから


ありはしないのではないか』


紅い花弁の上を歩いて


森の奥に足を踏み入れる


鈴の音は遠く、遠くに




御狐様の行列が


鈴の音を連れて逝った