掌で目蓋を覆う


「――、」


声にならない叫びが木霊する


なんでなんでなんで


薄暗い雲が心に影を落とす


傷口が膿む不快感が


焼け付く様な痛みを残す



無くなってしまえばいい


居なくなってしまえばいい


そうすれば誰も


傷付かずに済むのだから


無かった事にすれば


君も私も誰も傷付かない



茜空が向こう岸を指差す


瞳を刺す光に映る蜃気楼は


夢の続きを見させてはくれない


終わりは掌の上にあるのだと


知らないまま握り潰して


そうしてまた叫ぶ


闇を引き連れた群青を


静寂で包みながら





痛みを孤独に撫ぜた哀しみは


泣き笑いの嘘を唄った