深紅の花を空に投げて


君は笑った


「そうね、きっと、私は、」


あの人を想う事しか出来ないでしょう、と


泣きそうな瞳で綺麗に笑った


「いつか、行きたいね。あの場所に、二人で、」


君はそればかり繰り返していた


そこに広がる深紅の花


無機質な冷たい石の下で眠るあの人の前で


君はまだ笑っている



信じて


愛して


壊れた


あの人は、もう、居ない、のに、



「ねぇ、×××。いつか、二人だけで、」


深紅の花は、苦しい


君は忘れてしまっただろうから


君の記憶に生きるあの人は、


今も、笑ってるかな




彼岸花の広がる、この場所で





**************************

彼岸花(ヒガンバナ)

花言葉:悲しい記憶