拝啓
"暑さ寒さも彼岸まで"と申しますように、
秋の訪れをひとつずつ感じるようになりました。
さて、「暦の上では秋になりました…」という言葉を聞くことがあります。この暦とは、明治初期に改暦される以前の旧暦によるものですが、いまだに昔の季節感が私たちの感覚に染みついていることが不思議であると同時に、これからも私たちは大切にしたいとも思います。
さらに「暦の上での秋」というのは、中国で戦国時代に考案された二十四節気にもとづいて、毎年8月7日頃を立秋としていることによりますが、旧暦に当てはめて考えると、昔は7月初旬だったことになって、少し驚かされたりもします。
最近は地球温暖化の影響で、季節感が少しずつズレ始めているとも言われるようですが、若い方たちが意味を知ってか知らずか、土用の丑の日に鰻を食べるのを見たりすると、これからもこうした季節感が受け継がれていくことを、ふと嬉しく感じずにはいられません。
かくいう私も、子供の頃は秋分の日はただのお休みの日だと思っていたのですが、大人になって季節感を大切にしたいと思うようになってからは、秋分の日をかつての政府が、国民の祝日として制定してくれたことに、ついつい思いを馳せてみたりもしますから。
共有できる季節感こそが、
日本人としてのアイデンティティなのかもしれませんよね。
季節の変わり目、くれぐれもご自愛いただき、
これからも末永くよろしくお願い申し上げます。
敬具
