生で食べるときと加熱して食べるときの味に、これほどの差がある野菜はタマネギをおいて他にないのでは?
タマネギは紀元数千年前の西アジアから、エジプトやヨーロッパに広まったといわれます。やがて南ヨーロッパで甘タマネギ、東ヨーロッパで辛タマネギへと改良され、日本では明治以降、辛タマネギが主に栽培されるようになりました。
生タマネギの辛さや、刻んだときに涙が出てしまうのは、硫化アリルという成分のしわざ。硫化アリルは血栓やコレステロールにも良く、さらに豚肉やレバーなどに含まれるビタミンB1の吸収を促進します。
ところが硫化アリルは加熱すると、特有のうま味成分であるプロピルメルカプタンという物質に変わります。つまり硫化アリルの持つ栄養価と引換に、加熱によって低カロリーの糖質となって、西洋料理などの下ごしらえには欠かせない、味の決め手となるのです。
通常タマネギは収穫後1ヶ月位乾燥させてから出荷させて日持ちをよくさせるのですが、そんなタマネギを生のまま食べやすいのが収穫後にすぐ出荷される新タマネギ。この時期にしか手に入らない新鮮な味覚として、たっぷりと味わっておきたいですね。

