本日は、県庁(préfecture du Rhône)へ「滞在許可証(Carte de séjour)」の手続きに行ってきました。県庁への手続きは、あまりネット上に載っていない情報ですので、ここに書き留めておこうと思います。

 少し基本的なことから書き始めます。フランスの場合、在日フランス大使館へビザの申請をしてその許可が降りても、その有効期限は3ヶ月となっており、フランス入国後速やかに「滞在許可証(Carte de séjour)」を取得することが義務付けられています。「研究者ビザ」の場合、フランスに1年以上滞在する場合、OFFI(移民局)への申請ではなく県庁への申請となっています。以前のビザ取得に関するページでも書きましたが、私のVisiting Professorとしてのコンバンション・ダキュイ(Convention d'accueil)は、2018.3.1-2019.3.31となっているので、もともと県庁への申請の予定でしたが、仕事や家庭の事情で出国が3.26に大幅に遅れたため、OFFIでの申請も検討してはどうかと在日フランス大使館の人に言われました。県庁への申請にした理由として、(1) OFFIにすると、2018.3.26-2019.3.26までが滞在期間となる。航空券のこともあるので、2019.3.31までの滞在期間で余裕を持ちたい、(2) 県庁の方がOFFIに比べて人が少ないだろう、という理由で、県庁への申請でのビザがおりました。ビザの種類を書くと、PT.TALENT L313-20 4 家族はPT.TALENT(FAMI.)L313-21というビザになりました。

 というわけで、県庁へ「滞在許可証」の申請に行くわけですが、在日フランス大使館や在仏日本領事館がどのような書類が必要かを教えてくれるわけではありません。パリであれば、ブログや生活情報誌にその情報が乗っかっていますが、県庁が異なるので、参考にはなりますが、どの書類を出せば良いのかわかりません。リヨンの場合、いくつかのサイトに「1回目はOFFI、2回目からの滞在許可証取得」に関する記述はありますが、私のように最初から県庁への滞在許可証を取得するケースはほとんど掲載されていません。これは、研究者ビザの申請先が、OFFIになったり県庁になったりと、変更されたことが理由だと思います。OFFIへの申請が一般的だったからです。では、どうすれば良いかといえば、県庁のホームページをじっくりと読み込むしかありません。辞書を片手にじっくり読むと、Chercheurs (et leurs conjoints)というページにつながりました。その箇所を読むと、こう書いてあります。研究者ビザを取得する人は、Espace ULYS / EURAXESS à Lyon :Université de Lyonに問い合わせをし、Espace ULYSから予約を取って滞在許可証の申請をしなさいと。なるほど。そしてそのページに行くと、これがリヨン大学の機関で、研究者へのサポート機関であることがわかったのです。どうやら右も左も分からない研究者のためにリヨン大学のこの機関が助けてくれるのかな?と考え、すぐに名前や家族や住所や電話番号など全てを登録をしました。

 しかし、電気を開通させたり銀行口座を開設したりネットを開設したり携帯電話を取得したりとまずは生活基盤をしっかりと行うことが先決なので、この滞在許可証の申請に手が回らなかったのですが、 生活基盤も整い、EDF(フランス電力)のFacture(請求書)が揃ったので、そろそろ滞在許可証の申請準備をということで、Espace ULYS / EURAXESS à Lyon :Université de Lyonのサイトをじっくり読むと、ビザの申請書類を英語で確認することができました。I am a third-country national.と書かれているサイトで該当のビザの種類をチェックすると、PDFファイルで必要書類をダウンロードすることが可能です→こちらです。というわけで、Espace ULYSのサイトのおかげで救われて、ビザの申請書類を用意しました。このサイトを読んで、かいつまんで重要な点は、(1)18歳未満は滞在許可証を申請することができないため、子供達は申請することは不要であること(そのため3ヶ月を過ぎると子供が国外に行き戻る場合はトラブルが生じる。そのため別途県庁へ申請が必要)、(2)滞在許可証は、研究者本人と配偶者だけに必要であること、(3)必要書類には、上のFactureのみならず、在日フランス大使館の時に求められた書類に准ずるもの、例えば出生証明書や結婚証明書、子供の証明書などの法定翻訳必要であること、がわかります。これらの書類はすぐに集められるものばかりですが、一つだけ気になったことがあります。「法定翻訳」です。ここに「a sworn translator certified by a French Court of Appeal.」と書かれています。これで探すと、日本語の法定翻訳家はリヨン近郊にはほとんどいないということがわかります(領事館のページでは紹介されていますが)。しかもおそらく高額であることが推察されます。実は、リヨン領事館に頼めば、3日で戸籍の翻訳は行ってくれるので(しかも1枚10ユーロと非常に安い)、いちいちパリとか遠くの人に頼まんでもええんちゃうの?領事館のページにも滞在許可証のための証明書と書いてあるからええんちゃうの?と思いました。というわけで私は、この証明書は、戸籍謄本+領事館の翻訳+在日フランス大使館に提出した法定翻訳をまとめることで、とりあえず全ての書類を揃えました。

 そして、この後Espace ULYSに連絡を取ると、「オフィスに来て欲しい、あなたの書類を全てチェックして、私が県庁との予約を取ります」という連絡がきました。まあ場所は、まさにリヨン大学ですね。そこに担当者の方がいて、私と書類のチェックを行いました。担当者は丁寧かつ細かいです。パスポートに押されているスタンプの全てのページのコピーも確認し、不備のある書類をチェックしてくれました。そしてやはりと言いますか、上の法定翻訳について指摘がありましたが、私見を述べると「It is not good....but you try」ということで、上の三点セットで県庁へ申請してみましょう、ということで承諾をもらい、県庁への予約をとってくれました。予約は2ヶ月後とか3ヶ月後とかネットで書いてありましたが、研究者ビザの場合、このEspace ULYSを通すと、来週の火曜日と金曜日に空きがある、とのこと。午前のみの対応、ということで、私と妻の分の予約を入れてもらいました。在日フランス大使館の予約したものと同じようなものをPDFでメールでも受領しました。これをコピーして持参ということですね。そして私が、「県庁周辺は移民等で行列で埋め尽くされると話を聞いているのですが、大丈夫ですか?時間はかかりますか?」と聞いたら、「これを見せれば、すぐに入れます。大丈夫です。だいたい一人25分程度ですぐに終わる」という話を聞き、一安心。けれど、知り合いの方から、県庁の悪い話を散々聞かされていたので(つまり、行列を、県の職員さんが切って、切られた人は、また今度来てね、という対応をされるということ、そのため県庁が開くのが8時半なのに、みんな朝5時とか早い時間から並ぶということ:苦笑)、どうかなあと思い、今日を迎えたのである。

 そしてようやく県庁。娘が幼稚園に通いだしたので(幼稚園への入学についてはまた別の機会にまとめます)、娘を幼稚園に送りその足で県庁へ行けば、まあ9時30分には間に合うだろう、と考えていた。ところが、9時15分頃についたら、すでに長蛇の列。で、女性の警察官が整理をしていたので、アポイントの書類を見せたら、「入れられない。頼むから後ろへ並んで」というんですね。「これみてよ、9時30分」と言っても「後ろへ」と言い張る。仕方ないから下の子を乗せたベビーカーと妻と私で後ろに並ぶ。9時30分に入れたらいいけど、なかなか進まない。というわけで、もう一度、列を私が抜け出して、警察官に交渉に行きました。すると前の警察官ではなく、別の人。今度は「いいよ、ここから入りなさい」と言われる。というわけで、妻と下の子を乗せたベビーカーを行列から前まで呼び寄せ(かなり焦っていた)、割り込む形で入れてもらった。どうやらセキュリティーチェックをしている模様。そして人数コントロールですね。そしてさっきダメとか言ってた警察官はその奥にいた(今思えば、日本語で「なめとんか、ボケ」と言ってやりたい)。そして、入ったのは9時半過ぎ。急いで、窓口を探さないといけないが、一階の案内に聞くと、「二階です」と言われる。そして二階に行ってもわからないので、奥の方に聞いたら、「これは一階だよ」と言われる。そしてようやく自分の窓口に7分遅れで到着した(ここでも今思えば日本語で「ええ加減なこといっとったらあかんで。お前、仕事せえよ。」と言ってやりたい)。まあ、ひどいんですよ、県庁は。日本の県庁と比較してはいません。そして担当の窓口へ。ここの担当の方は、とても感じがよく、「待ってましたよ。次すぐにやりますね」と言ってくれた。気になっていた翻訳の方も何も指摘されなかったので一安心、そして「リヨンに到着して滞在許可証を申請します」というフランス語の手紙を書いたり、あとは家族構成を書いて署名したり、という作業を行うことで、無事レセピセ(the Recepisse de demande de carte de sejour)をもらいました。終了したのが10時15分。ふうーーと一息吹きました。というのは、11時20分に幼稚園に上の娘を迎えに行く必要があったからです。帰り際は、担当の窓口の方と下の娘が仲良く話をしてくれたので(この国の人は子供を本当に大切にしています)、担当者の歓待と迅速な対応に「終わりよければすべてよし」と思いました。おそらく6月頃にSMSで連絡が入るので、それで正式な滞在許可証がもらえると思います。もう県庁へは行きたくないけど(しかもフランス語しか通じません)、またそれについては書きたいと思います。

 ちなみに、このEspace ULYSという組織は、なんとこの3月に立ち上がった新しい組織だそうです。私のようにビザ申請のサポートばかりでなく、住居のサポート、子供の教育施設のサポート、語学学校のサポート、保険のサポート全てを「無料」でやってくれる組織です。私も下の子のクレッシュについて聞きましたが、色々と相談に乗ってくれます。英語が利用できるのが素晴らしい。というわけで、今後リヨンに研究留学をされるご予定の方は、この組織を頼れば、随分と楽に手続きを進めることができると思います。長くなりました。御機嫌よう。