とある1人暮らし高齢者のお宅で、

子犬の頃から飼われていたシニアの犬が居ました

名前はチビくん

 日本犬のミックスで体も顔も少し大きく

一見迫力があり怖そうな印象ですが

実は穏やかで人懐っこい性格✨

 

最初は少し警戒して吠えるけど、

頭をちょっと撫でるとたちまち尻尾フリフリになり

仲良しになれました😊

 

そんな優しくて愛嬌のあるチビくんが

5月7日の朝

静かに息を引き取りました


推定で約10歳の生涯でした

 4日間ほどアニサポで預かっていたため

最後を我が家で迎えました

 

 

知らせがあったのは

5月3日のことでした


午前中から犬が倒れて動けなくなってると

その家に訪問していたヘルパーさんから連絡あり

昼過ぎに様子を見に行くことに


その日はGW中で仕事休みでしたが

たまたま用があり職場の事務所に寄り

帰ろうとしていたところでした

(チビくんのお宅は職場から近くにあります)

 

まだ間に合うことを願いながら

慌てて駆け付けると


目を大きく見開き

脚は4本とも伸びきった状態で少し痙攣しながら

右向きに倒れていました

立ち上がれない様子で

体に少し触れると激しくのた打ち回ります

上矢印発見時の様子

部屋で休んでいた飼い主さんに声を掛け

丁度空いていたメンバーの1人にヘルプを要請

2人で抱えて何とか車に載せ

緊急で病院へ向かった次第です

 

飼い主さんは一人暮らしの認知症高齢者

子供さんは居らず、およそ10年この子と2人きりの生活でしたが

ここ1年程は散歩もほとんど行けずお世話がうまくいってませんでした

 

離れて暮らす甥御さんとは、この子のお世話のフォローをさせてもらい

ゆくゆくは里親を見つける方向で話をしたばかりでした

 

それ故、連絡を受けてすぐに病院に連れて行く判断ができましたが

飼い主は朝からチビくんがこの状態になっていることに全く気付いていませんでした

 

おそらくこうやって飼い主に気付かれず苦しんで亡くなる子がたくさんいるのでしょう


病院への道中も悶え苦しんでいたチビくん
ようやくどり着き、受診できましたが
診断は「てんかん発作」「ジステンパーによる神経症状の疑い」
とのことでした
 
神経症状まで出ているのなら何もすることがない
獣医さんはそう考えたのでしょうか、念のためてんかん発作用の薬の処方となり
入院が可能か確認してもジステンパーの疑いがあるからと断られました
(ワクチン接種も受けていない子なので仕方ない部分もありますが・・・)
 
しかし診断の根拠と説明に疑問が残り
セカンドオピニオンのため翌日別の病院へ
 
そこでは、やはりジステンパーの可能性は低いとの診断
 
理由として
・神経症状より前庭疾患の症状に近い
・他にジステンパーによく見られる症状がない
・チビくんは他の犬や動物と接触する機会がほとんどない
・そもそもジステンパーに感染する犬が滅多にない……
等の理由から、脳梗塞か脳出血ではないかと
 
体をうまく動かせずパニックになっているものの
幸い認知機能は損なわれていないようなので大脳は侵されていないであろうと
 
そうであれば、
薬の服用で2〜3週間もすれば症状も心も落ち着き
ある程度身体を動かせるようになるかもしれない
(もちろん回復しない場合もある)
 
本来は設備の整った病院でMRIを受けるのがベストですが
飼い主さんには判断力も経済的な余裕もなく
 
後遺症は残ったとしても
チビくんがまた起き上がり元気になる可能性に掛け
症状が落ち着くまでこちらで看病する決断をしました!
(飼い主さんが介護することは困難であるため)
家に連れ帰った当初は
鎮静剤もあまり効かず苦しさから激しく動き回り
1日中付きっきりの看病となりました

何よりも私の妻がチビくんのそばにずっと寄り添ってくれて
思いが伝わったのか妻が席を外すと鳴いて呼ぶほどに✨

3日目の夕方頃から
呼吸や体動も少しずつ落ち着いて流動食も摂れるようになり
少し光が見えたようにも感じました
 
夜には体動や悲鳴のような鳴き声も止み
表情も穏やかになり目もトロンとしてきたので
妻が優しくお休みを伝えてそっと部屋を出ました
夜中2時の時点では落ち着いて休んでいましたが・・・
朝6時前に様子を見に行くと
穏やかな顔のまま永い眠りについていました
 
身体はまだ温かく硬直もしておらず
もう少し早く様子を見に行けば見送れたという悔いもありますが
チビくんは自分で決断したのでしょう
 
4日間本当に苦しかっただろうけど
チビくんすごく頑張ったね!!
 
でも最後の夜は
穏やかに眠りにつくことができたと思います!

チビくんを看病してくれた妻も必死に頑張りました!ありがとう
私のサポートの為に駆け付けて一緒に病院に付き添ってくれたメンバーのKさんにも本当に感謝です
 
チビくんのお骨は飼い主さん宅にお返しして、49日を過ぎたら合同墓地に納骨することになりました
 
最後の動画は、数ヶ月前に一緒に散歩した時のチビくんです
この時は既に飼い主さんは散歩にいけてない状態だったのですごく喜んでくれました😊
 
今、認知症や要介護状態の独居高齢者が飼う
犬猫たちの問題が深刻になっています

大切に思い可愛がってはいても
認知症が進行したり身体を動かせなくなることでお世話がうまくできなくなっているケースが
増えてきています
 
「何かあれば離れて暮らす家族が何とかしてくれるだろう」と高を括り
犬猫たちの先のことを深く考えていない高齢の飼い主も多いように感じます

寂しさから外の猫に餌を与え
気付けば数が増えてしまい、収拾がつかなくなる事態も全国各地で発生しています

しかし
突然の旅立ちや入院、施設への入居などで
動物たちにとっては訳も分からずいきなり飼い主や餌やりさんとお別れになることも珍しくありません

実は2年前にも
同じ地域で一人暮らしの高齢の飼い主が他界され
行き場がなくなったシニア犬の里親探しに奔走しました

その子の名前も「チビくん」でした


離れて暮らす家族の人たちも然りで
明らかに不適切飼育やネグレクトに陥っていても
見て見ぬ振りをしているかのように何もしようとしない人もいました

自身が犬猫を飼っているのに
「何かあればセンター(保健所)に連れて行くしかない」
そうした声を実際に聞いたこともあります
 ※チビくんの飼い主さんやご家族のことではありません

子犬子猫が産まれて困っているからと
一人暮らしの高齢者に安易に渡してしまうことも
未だによく見聞きします
 
チビくんの飼い主さんも
80歳位の時に知人から子犬をもらってくれと頼まれ
引き受けたそうです

当初は毎日散歩に行き可愛がっていたようですが
今はご飯やトイレの始末は何とか頑張られてされてましたが
散歩や衛生面のケアは難しくなっていました

それでも、
飼い主さんを見るたび
尻尾をブンブン振って大喜び🐾
飼い主さんがデイサービスに行く時は心配そうに鳴いている姿が目に焼き付いています
 
聞くと、チビくんを引き取った時は奥さんが既に他界されていて
ご近所との交流も少なくなっていたようです

だから、チビくんは物心ついた時から
飼い主さんと二人きりの世界でした

チビくんにとっての唯一の家族は
飼い主のおじいちゃんだけでした

でも
最後は色んな人に声を掛けてもらって撫でてもらえたねキラキラ
 
穏やかで愛らしいチビくんのこと
絶対に忘れないからね!!

いつかまた会える日まで
しばらくはお空から飼い主のおじいちゃんを見守っていてね🌈